屋久杉のテーブル
「森のフェアリー」のすべてのお部屋には屋久杉のテーブルがあります。
3名様以上でご宿泊の場合は、別のテーブルになることがあります。
屋久杉とは
屋久杉(やくすぎ)は、屋久島の標高500mを超える山地に自生しています。
一般に、杉の樹齢は長くても500年程度ですが、屋久杉は桁外れに長くなります。栄養の少ない花崗岩の島に生える屋久杉は成長が遅く木目が詰っており、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくい特徴を持ちます。
現在は、天然スギの伐採が禁止され、土産物などの加工に使われている屋久杉は、土埋木と呼ばれる伐採の跡の切り株や台風などで倒れた倒木などです。
(写真は縄文杉です)
原木の購入
屋久杉は、加工業者の方が入札して購入します。切ってみなければどのくらいの価値の屋久杉かわからないため、入札は非常に難しいと言います。
屋久杉は、乾燥に非常に時間がかかり、また、直接太陽に当たると木が割れてしまうため、倉庫の中で、長い間保管乾燥されます。
写真はオーナー夫婦が倉庫から、屋久杉を運び出しているところです。
洗浄
まず、屋久杉を高圧洗浄機で洗います。長い間倉庫に眠っていたので、乾燥して真っ白になっています。
ところが不思議なことに、水をかけると、皆さんがよく見かける濃い茶色の屋久杉色になります。屋久杉の樹脂成分であの色になるそうです。
高圧洗浄機で、木の弱った(腐った?)部分を吹き飛ばしていきます。
乾燥
次に洗った屋久杉を乾燥させます。直射日光の当たらない、風通しの良い日陰で、2日ほど乾かします。またまた屋久杉は真っ白になりました。
まず、サンダーという電動紙やすりで、屋久杉の表面を磨きます。粉がたくさん出るので、コンプレッサーの風で、きれいに粉を吹き飛ばします。
塗り
そして、いよいよ塗料を塗ります。色はなく透明な塗料です。左の写真は塗料を塗る前の屋久杉です。少し濃い色は、裏に塗った塗料が染みている部分です。
写真は塗料を1回塗った屋久杉です。上の写真に比べると、全体的にほんのり茶の色がついたのがわかるかと思います。塗料を塗ったら1時間ほど乾かします。
そしてまた、サンダー(電動紙やすり)で、表面をよく削ります。さらに至近距離からコンプレッサーを念入りにかけてきれいにします。
「塗り、サンダー、コンプレッサー」のセットを10回くらい繰り返します。
右側が2回塗った屋久杉、左側が10回塗った屋久杉です。
だいたい1枚の屋久杉で塗料が4Lくらい浸み込みます。色はまったく付けていませんが、屋久杉の樹脂成分でこの味わい深い色になります。
年輪が細かく目が詰まっているところは、年輪のでこぼこが少なくつるつるで濃い色になります。
屋久杉は自然環境の厳しいところに生えていますので、年輪が詰まっている所と広い所があったり、また岩があって成長が妨げられて形がいびつになったりします。
テーブルを見ながら、「こっちの方向の成長がとまっているから、ここに岩があったのかな」とか「ここは年輪が詰まっているから厳しい時代だったんだなー」などど歴史に思いをはせてください。
そして何千年も生きている縄文杉をご自分の目で見て、いろいろなものを感じてパワーをもらってください。